
答えをすぐに求めない知性
越境とは、さびしく、きびしいことです。所属していた組織からは理解されず、新たに向かう先でも何かが約束されているわけではない。それでもなお、従来の自分の限界を超えて越境していく挑戦者には、「広報」、そしてその根幹となる「編集」が、大きな力となります。
広報とは、一方的に広く情報発信をするものではありません。ひろく社会との関係性を構築していくものです。そして編集とは、単なる発信のテクニックではありません。世界に問いを立て関係性を編み直す、同時にそんな自分を疑い様々な角度から常に問い直す、「答えをすぐに求めない」知性です。
編集という足腰の強さが孤独を支え、広報という人懐っこさがときには仲間を連れてくると、私たちは考えます。講師は、30年にわたり編集者として世の中に多くの問いを生み出して仕掛け、現在は自治体で広報プロデューサーもつとめる、有田佳浩氏。育成に定評があります。表面的なスキルではなく、どのような場面でも活用できる広報力・編集力を、ぜひ身につけてください。これからのあなたを、必ず支えます。
文|越境突破研究会 代表世話人 湯川 カナ
プロフィール
有田佳浩(ありた・よしひろ)
編集者/広報プロデューサー
1980年代、東京中心のメディア状況に違和感を抱き、大阪大学在学中にフリーペーパー事業を立ち上げる。その後編集プロダクション「コペルニクスデザイン」を設立し、数々の有力誌で特集企画・制作を手がける。また長年の編集経験を活かした独自の広報戦略で、時代に先駆けた地域メディアの創刊、企業の広報プロデュース等を展開してきた。2018年より兵庫県編集デザインディレクター、2021年より広報プロデューサーに就任。行政という現場の内側から「社会との関係性をいかに編み直すか」に向き合い続けている。
キャリアを通じて意識し続けるのは、「発信」ではなく「問いを立てること」。まだ言語化されていない社会の変化の萌芽を掴み、問いとして世の中に投げかけることで、新しい関係性の構築を続ける。
BORDER BREAKERSで「広報戦略」を担当。
有田佳浩の編集にまつわる言葉
(コンテンツ作りの指導。自分の胸部を指差して)
「ここをエグれ」
(単なる口癖)
「余白は知性」「ロゴはマナー」「編集は存在のアップデート」
(どんな人材が編集に向いているのかと聞かれて)
「1ヶ月夜な夜な六本木で遊び倒して、翌月にはガンジスへ一人旅」
(行政広報のセミナーの冒頭で)
「ファンと味方の違いを考えてみてください」
(これも口癖)
「『伝える』に依存しない。『目的』にも依存しない」
(広報セミナーの1テーマ。キリスト教の教義を持ち出して)
「広報と三位一体」
(お酒の席で)
「恋愛は微分と積分。その広報は微分か、積分か。」